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2023 年度 実施状況報告書

避難施設となる空間構造物の機能維持を担保する耐震性能評価手法と損傷制御法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 21K04617
研究機関仙台高等専門学校

研究代表者

藤田 智己  仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (10552458)

研究分担者 船木 尚己  東北工業大学, 建築学部, 教授 (70347897)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード鉄骨置屋根構造 / 空間構造物 / 屋根支承部 / 地震応答解析 / 耐震診断 / 制振装置
研究実績の概要

本研究では、避難施設として使用される空間構造物において発生した地震被害について、その発生メカニズムを解明し、避難施設の機能維持を担保する耐震性能評価法・損傷制御法の提案を目指す。
令和5年度は、令和4年度に実施した屋根支承部に作用する応力とその推定方法について、被災した体育館を模擬した立体モデルによる地震応答解析を進め、精査することで推定方法の適用範囲を検討した。複数種の観測地震波を用いた検討から、地震波の種類を問わず、概ね各支承部反力の最大値の分布が支承部層のせん断力係数が最大値を示す時刻の反力分布と近似することが明らかとなり、屋根面に作用する地震力を適切に評価することができれば、現行の耐震診断手法に倣い単純に支承部反力の推定が可能であることを確認できた。ただし、一部の地震波において、支承部反力の最大値が発生する時刻が支承部層のせん断力係数が最大値を示す時刻と異なるケースがみられ、その要因については別途解析パラメータを増やして精査する必要があることも明らかとなった。この点については、「補助事業期間延長承認申請」を利用して、発生要因とその際の推定方法の適用方法について、継続した検討を実施したいと考えている。
また、支承部被害を防ぐための改修方法については、新たに考案した制振装置の振動試験を実施し、制振装置の持つ制御効果および建物の振動特性変化により、被害低減の可能性を確認することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、加力方向に対して直交する方向に現れる屋根支承部の反力の存在とその推定方法の妥当性を明らかにすることができ、制振装置の導入による屋根支承部の損傷を制御できることを確認することができた。推定方法の適用範囲について一部精度が悪いケースがあり、その要因に関して追加検討を実施することが望ましいと判断し補助事業期間延長承認申請を行い、事業期間の延長が認められている。事業期間の延長が認められた次年度は、追加検討の実施とともに、その成果を学会参加および論文投稿していきたいと考えている。

今後の研究の推進方策

推定方法の適用範囲について、建築形態(建物規模・屋根形状)をはじめとした様々な因子に関するパラメトリックな検討を解析的に進め、避難施設としての機能維持を担保するための耐震指標の提案を行い、その成果を学会参加および論文投稿していきたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 鉄骨置屋根構造における屋根支承部の制振化による振動制御効果2023

    • 著者名/発表者名
      藤田智己,船木尚己,飯藤将之
    • 学会等名
      日本建築学会大会
  • [学会発表] 慣性質量効果を有する液流ダンパーを用いた多層骨組の振動応答特性 その1ダンパーおよび振動台加振試験の概要2023

    • 著者名/発表者名
      水間巧大,船木尚己,小嶋健太郎,高橋辰弥,虎有珠,畑中友,藤田智己,飯藤將之
    • 学会等名
      日本建築学会大会
  • [学会発表] 慣性質量効果を有する液流ダンパーを用いた多層骨組の振動応答特性 その2ダンパーの抵抗力特性2023

    • 著者名/発表者名
      小嶋健太郎,船木尚己,高橋辰弥,虎有珠,畑中友,藤田智己,飯藤將之,水間巧大
    • 学会等名
      日本建築学会大会
  • [学会発表] 慣性質量効果を有する液流ダンパーを用いた多層骨組の振動応答特性 その3解析モデルと時刻歴応答解析2023

    • 著者名/発表者名
      高橋辰弥,小嶋健太郎,虎有珠,畑中友,藤田智己,飯藤將之,船木尚己
    • 学会等名
      日本建築学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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