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2023 年度 研究成果報告書

空孔型欠陥のin situおよび二次元分布計測による金属水素脆化支配欠陥

研究課題

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研究課題/領域番号 21K04627
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分26010:金属材料物性関連
研究機関千葉大学

研究代表者

Chiari Luca  千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (20794572)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード水素脆化 / 格子欠陥 / 陽電子消滅法 / 鉄 / ニッケル
研究成果の概要

本研究の目的は,水素・応力環境下でのその場測定により,金属材料の水素脆化支配欠陥を特定することである。水素・応力負荷下での陽電子寿命測定を可能にする新しい装置が開発された。水素感受性が高い低速延伸材においては,水素添加中に空孔-水素複合体が形成され,大気時効により空孔クラスターへの成長が初めて観察された。
また,純ニッケルにおける水素誘起欠陥の形成とその経時変化が,高速陽電子寿命測定によって追跡された。空孔-水素複合体は,引張応力なしで水素添加のみで形成されることが分かった。室温時効により,それらは徐々に消失し,残った単空孔は可動性になり,空孔クラスターに凝集し,サイズが徐々に大きくなった。

自由記述の分野

化学物理学

研究成果の学術的意義や社会的意義

金属材料の水素脆化は,水素環境下における力学特性の低下や遅れ破壊現象であり,水素社会を迎えるにあたり解決すべき重要な課題となっている。本研究は,純鉄および純ニッケルにおける空孔-水素複合体の形成を実証し,室温時効によるその成長過程を観察した初めての研究である。この結果は,学術的には長年未解明であった水素脆化の原子レベルメカニズムの解明に貢献したものであり,学術的・工業的大きな波及効果をもたらすことが期待される。最終的には,本研究で得られた新たな知見は,水素社会に向けて耐水素鋼材の開発につながる可能性がある。

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公開日: 2025-01-30  

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