陰イオンとして2種類の陰イオンを含む複合アニオン化合物は、2種類の陰イオンを含むことに起因する特異な物性、構造をしめす。当研究グループでは、複合アニオン化合物である、ペロブスカイト型酸フッ化物に着目し、その結晶構造、特に局所的な結晶構造について継続的に研究を進めてきた。その結果、これら酸フッ化物は平均構造と局所構造が異なっており、また、局所構造を反映した物性を示すことが明らかとなった。このことは、これまであまり検討されることがなかった局所構造の検討が、これら複合アニオン化合物の機能開拓、材料設計には欠かせないことを示しており、今後の研究に与える学術的意義は大きい。
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