蛍石型派生構造において観察される冷却速度に依存した局所的な秩序化現象及び関連する物性を調べるための理論解析手法の開発と適用研究を行った。複合酸化物結晶における配置探索手法として、第一原理計算とニューラルネットワークポテンシャル、モンテカルロ法による有限温度サンプリングを組合わせた手法を適用し、温度に依存した局所構造変化の存在を明らかにした。また、蛍石型構造における酸素イオン拡散性や点欠陥挙動などの物性評価のための基礎的手法を提案し、パイロクロア構造や蛍石型構造を有する系へ適用した。以上のように、明確な長距離秩序を持たない低温構造を調べる手法の基盤構築を進めることができた。
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