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2022 年度 実施状況報告書

セルロースナノファイバーを用いたイオン化金属析出による高伝導導電性樹脂接合法

研究課題

研究課題/領域番号 21K04665
研究機関大阪大学

研究代表者

松嶋 道也  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (90403154)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード導電性接着剤 / ウレタン改質エポキシ樹脂 / 応力緩和 / 電気抵抗上昇抑制 / セルロースナノファイバー / 可視化
研究実績の概要

昨年度のポリウレタン改質エポキシ樹脂を含有した導電性接着剤の材料特性改善結果を受けて,本年度はその構造とメカニズムを明らかにするためエポキシ樹脂中のポリウレタン構造の観察に取り組んだ.ポリウレタン改質エポキシ樹脂の構造解析のため,四酸化オスミウム溶液を用いた金属染色のプロセス最適化を行い,エポキシ樹脂単体では観察されない染色領域を含む2相構造が観察され,ポリオール化合物の種類によって染色形状は異なっていた.ポリオール化合物の種類によってポリウレタン構造とエポキシ構造の分布が異なることから,機械的特性の違いに影響しているものと推測される.
また,セルロースナノファイバーを混合することによる機械的物性の変化を明らかにするため,まずはセルロースナノファイバーの混合状態を確認するための観察手法について検討を行った.断面観察の際のセルロースナノファイバーへのダメージを抑制する手法として,SE法が適用可能であること,それにより表出したセルロースナノファイバーをSEM観察するためのAg析出プロセスの最適化を行い,セルロースナノファイバーの凝集が示唆される結果を得た.次年度は,適切な分散を得られる混合プロセスならびに材料設計を行う.研究成果は以下で発表した.
大島信孝, 松嶋道也,福本信次:”ポリウレタン改質エポキシ樹脂を用いた導電性接着剤の電子染色”第29回「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウム(mate2023),2023.1.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ポリウレタン改質エポキシ樹脂の構造ならびに分散したセルロースナノファイバーの可視化が困難を極めたため,分散状態の観察にとどまったが,最終的には可視化が実現したため,次年度に向けてその分散状態の改善と特性への影響について明らかにしていく.
また,可視化することによって分散状態と機械的特性との関係を明らかにするうえでも,有意義な結果を得たと考えている.

今後の研究の推進方策

本年度の成果によってポリウレタン改質エポキシ樹脂とセルロースナノファイバーのそれぞれの分散状態を可視化する手法が実現したため,これらを用いてフレキシブル導電性接着剤の実際の特性に与える影響を明らかにする.
まずは,セルロースナノファイバーの分散状態の改善のため,新たな材料混合プロセスを検討するとともに,ポリウレタン改質エポキシ樹脂の改質率とセルロースナノファイバーの分散状態は,それぞれ機械的特性に大きな影響を与えるため,こららの含有率および分散状態の相互的な機械的特性への影響について明らかにするとともに,効果的な特性を得る材料設計指針を導く.
また,ネットワーク上のセルロースナノファイバー分散状態を得ることによって電気的特性の耐ひずみ性を実現するとともに,イオン化金属の析出による更なる導電率の改善効果を確認する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ポリウレタン改質エポキシ樹脂を用いた導電性接着剤の電子染色2023

    • 著者名/発表者名
      大島信孝,松嶋道也,福本信次
    • 学会等名
      mate2023

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公開日: 2023-12-25  

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