Mg電池の高出力化を実現には,Mgの溶解により形成される酸化物皮膜の生成・成長・破壊のプロセスを明らかにし,電池開発における課題を精査する必要がある。本研究ではこれらのプロセスをリアルタイムに追跡できる電気化学計測システムの開発に成功した。このシステムではフローセルを用いることでMg溶解にともない発生した水素ガスをガスクロマトグラフィーにより定量分析が可能であるとともに,Mg溶解にともなうpH変化を抑制した環境で電気化学計測ができることは,電池開発指針を確立するうえで意義深い。本開発技術は,ガス発生する電極材料の分析に適用可能であり,稼働する実際の電池環境に基づく材料開発へ展開できる。
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