現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで高軟化温度のガラス上にスパッタ成膜し作製してきた各種透明デバイスであるが、軟化温度が低いプラスチック系基板では、成膜温度や基板と半導体との付着性、湾曲時に生じる欠陥の抑制技術などの課題が生じる。これらを解決するために、2021年度は以下の3つの研究を行った。
(1) スパッタ装置を改造し、原料分子の運動エネルギーを高くして基板に衝突させられるようにすることで、基板温度を低く保ちながら結晶品質が高いワイドギャップ酸化物半導体NiOやSnO2を成膜することができた。また、膜質の比較を、ガラス基板上に堆積した多結晶薄膜や、MgOやサファイア上に堆積したエピタキシャル薄膜との間で行った。 (2) 非真空・低温で成膜可能なスプレー堆積装置の立ち上げと、導電性NiOの成膜を行った。得られた膜に対しスパッタ成膜した薄膜との結晶品質を比較した。 (3) 湾曲時に生じる欠陥種の判別・定量化(XRD, SEM,TEMなどの構造特性、PL,透過,ラマンなどの光学特性評価)、および材料固有およびプラスチック基板上の欠陥低減技術検討(Hall,CV,JVなどの電気特性評価)を行った。
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