現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで高軟化温度のガラス上にスパッタ成膜し作製してきた各種透明デバイスであるが、軟化温度が低いプラスチック系基板では、成膜温度や基板と半導体との付着性、湾曲時に生じる欠陥の抑制技術などの課題が生じる。これらを解決するために、2022年度は以下の3つの研究を行った。 (1) 非加熱スパッタ法を用いて、NiO太陽電池-CO2ガスセンサ一体型での、自ら発電した電力で自らモニタリングを行う「セルフパワーデバイス」を試作した。また、酸化物半導体薄膜の膜質の比較を、ガラス基板上に堆積した多結晶薄膜や、MgO上に堆積したエピタキシャル薄膜との間で行った。 (2) スパッタ法と平行して、非真空・低温で成膜可能な「静電噴霧装置」の立ち上げと、導電性NiOの成膜を行った。得られた膜に対しスパッタ成膜した薄膜との結晶品質を比較した。 (3) NiO成膜時やデバイス作製時に生じる欠陥種の判別・定量化(SEM,TEMなどの構造特性、CL,PL,透過,ラマンなどの光学特性評価)、および材料固有およびプラスチック基板上の欠陥低減技術検討(Hall,CVなどの電気評価)を行った。とりわけ、NiOの輻射再結合系欠陥をPL・CL測定で、非輻射再結合系の深い欠陥をPDS(光熱偏向分光法)にて評価検討した。
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