研究課題/領域番号 |
21K04742
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
丸山 徹 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (80330174)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スチレン / 鋳鉄 / 熱分解 / 湯流れ / 発泡ポリマ |
研究実績の概要 |
消失模型鋳造法は、鋳物製造における環境負荷や製品軽量化などの利点を有することから、本法による鋳物製造技術の向上が期待されている。しかし、しばしば発生する発泡ポリマ模型の残差欠陥と湯回り不良の発生メカニズムは、熱分解モデルでは説明できない現象を含んでいる。本研究では、従前から考慮されているポリマの解重合に加えて燃焼・爆発を考慮した湯流れ試験により欠陥発生のメカニズムを明らかにすることを目的としている。燃焼・爆発の影響を調査するために発泡ポリマ内の気体をアルゴンガス等の不活性ガスに置換して鋳鉄の湯流れ試験を行うとともにポリマの分解に伴う液化物、ガスや煤の発生を高速動画撮影により直接観察を行い、鋳造時の現象を明らかにする。 令和3年度に引き続き令和4年度は、発泡模型を真空容器内で減圧後、アルゴンガスあるいは窒素ガスを容器に導入して保持することで、模型内のガスの部分置換の試験を実施した。その結果、アルゴンガスよりも窒素ガスを用いた方がガス置換効率が高いことを明らかにした。一方でガス置換率を向上させるためには、置換するガス雰囲気での長時間保持が必要であった。模型内ガスの一部をアルゴンガスで置換して模型内酸素量を減少させた発泡模型を用いて湯流れ試験を行った。その結果、模型内酸素量が減少すると湯流れ速度は低下するが、湯流れ長は増大する結果が得られその再現性を確認した。 令和5年度は模型内のガス置換率を変化させて、必要に応じて「湯流れ直接観察」を行い、模型の燃焼・爆発の関係を調査することで、湯回り不良の発生に及ぼす模型内酸素量の影響を明らかにすることを目的とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度、4年度の成果により、発泡模型内の酸素量を制御する実験手法が明らかになった。酸素量を制御するためには減圧処理後に不活性ガス雰囲気とすることが有効であるが、その雰囲気保持時間は、最大2か月程度の長時間を要することが明らかとなった。そのため、当初の予定よりも試料作製に時間を要する状況となった。
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今後の研究の推進方策 |
発泡模型内のガス置換には当初の想定よりも多くの時間を要することから、令和5年度は実験条件を絞り込み、試料作成回数を減らしつつも成果が得られるように、1回の実験で得られる情報量の多い、直接観察の実験を計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
発泡模型内のガス置換に要する時間が想定よりも長時間必要となったため、予定していた回数の実験ができなかった。令和5年度は模型内のガス置換実験よりも得られる情報量の多い鋳造実験の回数を増やすことで次年度使用額の予算も使用し、研究目的を達成できる計画とする。
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