研究課題/領域番号 |
21K04745
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
高橋 博 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (70197169)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 晶析 / メタノール / 硫酸アンモニウム / マンガン / ニッケル |
研究実績の概要 |
これまでの研究の結果から,金属種間で晶析速度が大きく異なることが明らかとなったことから,一部の金属イオンに関し,晶析現象の追跡ならびに,過飽和度を基にした晶析速度の解析を試みた。 実験では,新たにマンガンイオンを対象とし,本分離法の特徴であるメタノールと硫酸アンモニウムによる晶析現象の追跡を行った。その結果,マンガンの晶析では晶析の初速度は比較的速いものの,後半はかなりゆっくりとした晶析速度を示し,飽和濃度に達する時間は長いことが明らかとなった。この現象を定量化するために,晶析速度は過飽和度の一次に比例すると仮定して速度解析を行った結果,実験結果をほぼシミュレートすることが可能となり,種々の条件において速度定数の決定を行った。この解析により,本手法の推進力は過飽和度が主な晶析現象の推進力であり,これらの定数を用いることで初速度の急激な変化と,その後の比較的ゆっくりとした晶析現象を比較的良好に予測することが可能となった。 また,以前に本研究で得たコバルト,バナジウム他種々の金属類の晶析現象に関し特許を申請していたが,23年度に特許査定が成立し(特許第7377452号),本手法のオリジナルが際立つ結果となった。その他,昨年得られた結果を基に23年度新たに晶析速度の差を利用した金属塩の分離法として新規出願を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
晶析現象のメカニズムと定量化に関する知見を得るまでに時間がかかったものの,簡単な速度解析により晶析挙動をある程度表現できるところまで到達し,本年,最終仕上げの研究に鋭意取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果より,種々の金属塩類の晶析条件が把握できたことから,最終年度は,燃焼灰からバナジウム類を生産している企業からの操業条件に関する情報を基に,バナジウム生産時の夾雑成分として存在するニッケル,マグネシウム他の晶析分離を行うことで,本研究の仕上げに取り掛かる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
機器の価格高騰ならびに研究の進展に伴うメンテナンス計画とのバランス調整する必要が生じたため。
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