本研究では,温度応答性高分子と架橋剤からなるヒドロゲルをメソポーラスシリカに被覆することによって,温度に応答して吸着可能な分子のサイズを変えることができる吸着剤の開発を目的とした。吸着剤の表面には,メタクリロイル基を付加することで,そこを足場として温度応答性高分子ヒドロゲルを固定化した。モノマー量や架橋剤を増やすと,ヒドロゲル固定化量は34から67 wt%まで増加した。副次的な効果として,この吸着剤は水温を上げると凝集するため,沈殿回収が容易となった。メチルオレンジ吸着量は温度上昇に伴い単調に減少したことから温度によって吸着可能な分子サイズを制御できる可能性が示された。
|