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2023 年度 実績報告書

CO2を吸収した炭酸アルカリ吸収液の水熱処理による有機物合成と吸収液再生

研究課題

研究課題/領域番号 21K04768
研究機関信州大学

研究代表者

高橋 伸英  信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (40377651)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード炭酸アルカリ吸収液 / 水熱合成 / ギ酸 / 二酸化炭素回収利用
研究実績の概要

本研究は、アルカリ炭酸塩水溶液を用いたCO2の化学吸収法において、CO2を吸収した吸収液を高温高圧下で直接水熱処理することによりギ酸などの有機化合物へ変換するプロセスを提案する。
今年度は、炭素源としてKHCO3、触媒にNi粒子、還元剤にFe粒子を用いた場合について、反応温度、反応時間を変化させ、生成物収率を調査するとともに、水熱合成反応の反応速度解析を行い、反応モデルを構築した。
次に、1600 MWの褐炭発電所の排ガスを想定し、K2CO3水溶液を吸収液とし充填塔によりCO2を吸収し、充填塔から排出された吸収液を水熱処理しギ酸合成を行うプロセスについて、Aspen plusを使用してプロセスシミュレーションを行い、CO2回収率、消費エネルギー、コストを推定した。また、比較として、化学吸収法によってCO2を回収し、回収された高純度のCO2をパイプラインで輸送し、水の電解により生成した水素と反応させてギ酸を合成するCCUプロセスについてもシミュレーションを行った。
その結果、本プロセスのギ酸収率は5.0 %となり、プロセス全体でのCO2回収率は43.5 %となった。また、生成したギ酸1 ton当りの消費エネルギー、コストは28.3 GJ/t-FA、$44.1×103/t-FAとなった。消費エネルギーの中では水熱合成の原料の加熱と反応に要するエネルギーが大きかった。また、コストに占める原料費の割合が大きく、中でもNi粒子のコストが最大であった。
比較のCCUプロセスと比べ、CO2回収率が低く、消費エネルギーとコストが大きくなった。その主な理由は、本研究プロセスのギ酸生成量が比較プロセスに比べて少ないためである。ギ酸収率を増加させることで消費エネルギーとコストは低下でき、ギ酸収率を19.1 %以上に増加させることで、比較プロセスよりも優位になることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 炭酸アルカリ吸収液を用いたCO2吸収と統合したギ酸水熱合成のプロセスシミュレーション2024

    • 著者名/発表者名
      圷良太・ 嶋田五百里・長田光正・福長博・髙橋伸英
    • 学会等名
      化学工学会第89年会
  • [学会発表] 炭酸アルカリ吸収液を用いたCO2吸収と統合したギ酸水熱合成における吸収液濃度およびCO2ローディングの影響2023

    • 著者名/発表者名
      圷良太・ 嶋田五百里・長田光正・福長博・髙橋伸英
    • 学会等名
      化学工学会第54回秋季大会
  • [学会発表] CO2を吸収した炭酸カリウム吸収液からの水熱有機物合成2023

    • 著者名/発表者名
      檀上真成・ 嶋田五百里・長田光正・福長博・髙橋伸英
    • 学会等名
      化学工学会第54回秋季大会
  • [備考]

    • URL

      http://www.fiber.shinshu-u.ac.jp/novhide-lab/index.html

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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