リンパ球は,血管やリンパ管を通して全身のリンパ節を循環し,病原体が侵入した際には感染部位近傍のリンパ節においてストローマ細胞の制御の元で免疫応答を行う.本課題では,リンパ球支持能力の高いストローマ細胞を樹立するため,ストローマ細胞の免疫系細胞に対する作用機構の解明を行なった.マウスストローマ細胞株(FL-Y細胞)にB細胞活性化因子(BAFF)と走化性因子(CXCL13)を発現させることによりB細胞の活性化と走化性の促進が見られた.また,FL-Y細胞の発現するSLAMF8は,B細胞活性化能力を持つ単球系細胞の分化促進作用を持つ一方,SLAMF5はB細胞による抗体産生機構を抑制することを見出した.
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