本研究ではデータ駆動解析により,六方晶窒化ホウ素(h-BN)のフラックス法結晶成長における低アスペクト比化に資する因子の作用・非作用の分類に取り組んだ.この結果,フラックス由来の物性値のうち,カチオン―アニオン結合距離が作用することがわかった.このほか,h-BNとフラックス由来イオン間の吸着エネルギーの寄与を調べたところ,フラックス由来アニオンの吸着方位に依存する吸着エネルギー異方性が,結晶アスペクト比変化に寄与することがわかった.h-BNへのフラックス由来アニオンの寄与は,結晶成長中のh-BN側面キャッピング効果とそれによるab面方向の結晶成長抑制をともなう成長機構として説明可能である.
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