スピントロニクス材料として有望視されているハーフメタル材料のマグネタイトの低いスピン偏極度が薄膜内の逆位相境界の形成が原因とされている。マグネタイト薄膜表面の逆位相境界の原子スケール構造と表面スピン偏極状態との関係を走査型トンネル顕微鏡を用いて調べた結果、逆位相境界が不均一な表面電子状態をもたらすことを確認した。表面の高いスピン偏極度を得るために炭素膜を成膜し、400℃で加熱することによってスピン偏極したダウンスピン由来の電子状態が出現することを確認した。表面スピン偏極状態を原子スケールで可視化するための反強磁性体単結晶Cr探針を開発し、再現性の良いCr単結晶探針の作製に成功した。
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