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2022 年度 実施状況報告書

放射光・電子顕微鏡による化学反応その場測定と特性予測から導く磁性ナノ粒子設計法

研究課題

研究課題/領域番号 21K04843
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

高橋 知里  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (50574448)

研究分担者 八木 伸也  名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 教授 (20284226) [辞退]
細川 裕之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (80357946)
小川 智史  名古屋大学, 工学研究科, 助教 (70739101)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード電子顕微鏡 / その場化学反応測定 / 放射光 / 酸化鉄ナノ粒子 / ナノ材料 / 特性予測 / 機械学習
研究実績の概要

本研究の目的は、透過型電子顕微鏡及び放射光を利用した分光法によりリアルタイムでナノ材料化学反応を相補的に明らかにし、同時に機械学習を用いた特性予測を行うことで効率よく記録媒体用の磁性ナノ粒子の合成法を確立することである。
2021年度は化学合成法を用いて、主にコバルトフェライト粒子の合成を実施した。コロナウィルスの事態でテレワークを余儀なくされたため、当初のように実験が進まなかったが、できる限り研究分担者および研究協力者と協力し、合成条件を変えて合成した粒子の特性を把握することができた。機械学習を用いた特性予測に関しては、2022年度以降に実施する予定であるが、そのためのプログラム準備を研究分担者が実施した。2022年度は、化学合成法に加えマイクロ波を用いた合成を実施した。元素種や組成比や合成条件、合成装置を変えて合成を行い、結晶構造やサイズ、形状、磁気特性の違いを系統的に評価した。また、ナノ構造の評価方法としてナノ領域の結晶構造解析ができる電子顕微鏡手法を用いることで、結晶方位と磁気特性の関係を探った。今年度は、目的とする磁気特性を持つ粒子合成が難しかったため、機械学習を用いた特性予測の実施はできていないが、来年度以降に随時実施していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度にコロナウィルスの状況で研究協力者と実験を進めることが困難であったのと、申請者自身もテレワークを余儀なくされたため、初めの計画からやや遅れている。現段階で、化学合成法とマイクロ波合成装置を用いて、CoやZr、Sm、Ni等の添加金属を含む酸化鉄ナノ粒子(10~100 nm)を合成、サイズ制御することに成功している。具体的には、添加金属を含むキューブ、球、六角形他の形状を持つコバルトフェライト粒子の合成を実施している。ナノ粒子内のナノ領域における結晶構造解析を行うことで、結晶配向性と磁気特性の関係を明らかにできている。また、TEM-EDSやTEM-EELSを用いることで、ナノ粒子内における元素ごとの分布を把握し、磁気特性に与える影響を探ることができている。さらに、液中電子顕微鏡を用いて溶液中のナノ粒子の評価が可能であることを見出している。2023年度は予定通りに実験を進めることができると考えている。

今後の研究の推進方策

コロナウィルスの状況により、海外の研究協力者であるParis Diderot大学Alloyeau教授との液中観察を進めることが難しかった。放射光を用いた分光分析に関しては、装置の利用が困難であったために2022年度に進めることが難しかった。2023年度は放射光を用いた分光分析と液中電子顕微鏡観察を実施していく予定である。これらの試みにより、実際の合成時と同じ雰囲気下及び大気中で多角的な測定を行うことで、化学反応挙動を分子・ナノ構造レベルで視覚的及び化学構造的に把握していく。機械学習を用いた特性予測については、研究分担者と協力して、①データ収集と標準化、②組成・組織と特性の学習モデル(基本モデル)の作成、③組成・組織とプロセスの学習モデル(プロセスモデル)の作成を実施する予定である。それによって、保磁力2500Oe, 飽和磁化50emu/g以上の磁気特性を持つ酸化鉄ナノ粒子の合成法を導き出していく。
得られた成果は、随時、論文および学会にて発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルスの事態で当初の計画が変更になったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 種々のナノ粒子合成と電子顕微鏡を用いた評価~ソフトマテリアルからハードマテリアルまで~2023

    • 著者名/発表者名
      高橋知里
    • 雑誌名

      粉体工学会誌

      巻: - ページ: -

    • 査読あり
  • [学会発表] Characterization of degradation behavior of nanomaterials using liquid-cell transmission electron microscopy2022

    • 著者名/発表者名
      高橋知里
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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