近年、金属ナノ粒子の特異な構造や光学特性が注目されている。これまで主に金属ナノ粒子の集団に対して研究がなされ、平均サイズや形状によりその物性が大きく変化することが報告されてきた。一方、ナノ粒子1粒を安定的に保持する方法は確立されていないために、ナノ粒子1粒のX線回折像や光学的特性を測定することは困難であった。 本研究では、金属ナノ粒子の真の物性を解明するために、レーザートラップ法を用いて金属ナノ粒子1粒を空気中に非接触で保持し、放射光X線マイクロビームを照射することにより、金属ナノ粒子1粒のX線回折像を測定する装置を開発した。この装置の実現には学術的な面だけではなく応用面でも意義がある。
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