近年のIoT社会の実現と発展途上国における人口爆発によるエネルギー需要の増大により、身の回りにある様々なエネルギー源から電力を取り出す新たな環境発電技術や、電子機器の消費電力を抑える省エネルギー技術の開発が求められている。異常ネルンスト効果を用いた磁気熱電変換素子は、単層の金属強磁性体薄膜のみの簡便な構造でも発電が可能であり、IoT社会における様々なセンサー用独立電源との親和性が非常に高い環境発電技術である。 本研究では、比較的大きな異常ネルンスト効果を示すFe4Nの薄膜に少量のPtを添加することや、MgO薄膜と多層構造化することで、異常ネルンスト効果が増強することを発見した。
|