アルカリまたはアルカリ土類をケージ内に有するSi系クラスレート化合物において、そのバンド構造およびケージ内原子の電子状態に焦点を当てるとともに、ケージ内原子のラトリングと電子状態や内殻スペクトルとの関係性を議論した。ケージ構造の異なるI型とII型でともにケージ内にNaを持つ系において、大局的な価電子帯電子構造がバンド計算でよく説明できること、つまり電子相関による影響は小さいことがわかった。また、タイプII系のNaのうち16面体ケージ中のNaのみをBaに置き換えた系についての電子状態変化を解明した。
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