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2023 年度 研究成果報告書

スピン偏極STMで探る層状反強磁性体のスピンフラストレーション

研究課題

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研究課題/領域番号 21K04881
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
研究機関大阪教育大学

研究代表者

川越 毅  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20346224)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード層状反強磁性薄膜 / スピン偏極走査型トンネル顕微鏡 / スピンフラストレーション / らせん転位
研究成果の概要

層状反強磁性Cr(001)薄膜表面で観測されるらせん転位よるスピンフラストレーション(SF)を実空間で解明することを目標として、表面ナノ構造と磁性をスピン偏極STMを用いて調べた。原子レベルで平坦なテラスとスピン偏極表面準位を有する高品位なCr(001)超薄膜の作成に成功し、1nmの超薄膜でも、室温で層状反強磁性を示す明瞭な磁気像を得た。磁気像の詳細な解析の結果、3個のらせん転位を結ぶ領域でのSFや隣接する2組のらせん転位による量子化軸が90度回転した反強磁性磁区形成を観測した。これらの実験結果は、これまで観測されたことのないSFであり、マイクロマグシミュレーションによる検証にも成功した。

自由記述の分野

表面磁性、表面・界面物性、スピントロニクス、磁性物理

研究成果の学術的意義や社会的意義

反強磁性体を用いたスピントロニクスは、従来の強磁性体を用いたデバイスに比べ、漏れ磁場がない・応答時間が速い・磁場ノイズに強いなどの利点から近年注目されている。しかし、反強磁性体の磁気構造の検出は難しく、磁区形成に不明な点が多く、スピンフラストレーション(SF)も起きる。本研究で用いるスピン偏極STMは、反強磁性体の表面構造と磁気構造・SFの詳細を高精度で解明できる非常に適した方法である。本研究では層状反強磁性薄膜の欠陥によるSFと磁区形成メカニズムの詳細についての研究を行うが、これらの研究から反強磁性体を用いた近未来のスピンデバイスの材料開発の指針となる有益な情報が得られると期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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