本研究において,高い真空排気性能を有するNEGコーティングが従来の大型成膜装置とは異なるICF114フランジマウント型の小型成膜装置でも実現できることを実証した。基本成膜方式としてマグネトロンスパッタ法を踏襲することで,小型化に不可欠な合金ターゲットと永久磁石を用いる成膜装置でも同様な結晶構造をもつNEGコーティングが成膜できていることがSEMやXRDによって観察された。このことは,NEG膜の微細結晶構造が吸着分子の膜内拡散に有効であるという学説を支持する。 また,小型NEG成膜装置は電子顕微鏡や半導体製造装置など多様な真空装置にも応用可能であり,科学や産業の発展にも寄与することが期待される。
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