研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ホログラフィックメモリーの記録密度を向上させるため、われわれが提案してきたクロストークを利用したシングルショット位相検出法における新しい位相検出アルゴリズムと信号符号化手法について検討を行った。本研究では、新たに偏光と位相を同時に変調した信号符号を提案したほか、従来考慮できなかった遠く離れたピクセルからの影響をピクセル拡がり関数を利用して組み込む新しい位相決定法を提案し、この手法を用いることで従来の2値強度信号の約2倍の記録密度が見込めることを数値的に示した。
応用光学
本研究は、クロストークを利用した位相検出法における新しいアルゴリズムを提案し、記録密度と検出精度を向上させた。また、偏光・位相変調信号という新しい信号方式を提案し、ホログラフィックメモリーシステムの理論的基盤を強化した。本研究のような高密度かつ高転送レートの光メモリー技術の発展は、データセンターでのコールドストレージデバイスとしての利用が期待され、データ保存寿命の延長と消費電力の低減を実現し、情報社会のさらなる進展に貢献すると考えられる。