2023年度には、2022年度に整備を終えていたFigure-8型フェムト秒ファイバ発振器他をベースとしたチャープパルス増幅器(CPA)の整備、予定していた高出力ファイバー増幅器、Mach-Zhender型のコヒーレント結合装置の整備を行い、その性能試験を行なった。ファイバー型CPAは最終繰返し周波数を100 kHzとし、Figure-8型フェムト秒ファイバ発振器(17 MHz)、自作の発振器(47 MHz)をベースとしたファイバー型CPAとの比較を行った。AOM1段によって1 MHz繰返しとした場合のASEの評価では、0.4%以下であった。透過型回折格子対を用いてパルス圧縮を行い、1 MHz繰返しで336 fs(FWHM)を観測した。同じAOM1段で100 kHz繰返しとした場合には、ASEとの比が30%以上、およびパルス幅形状における非線形効果の寄与が大きかったため、AOMを2段として100 kHz繰返しとすること、およびコア径を35 um以上の増幅媒質を用いた。予定していたロッドファイバーを増幅媒質とした増幅器では、予想より増幅後のパルスエネルギーが低かったため、テーパー型ファイバー増幅器を用いて、100 kHz繰返しで160 uJ/pulseまで増幅を確認した。チャープパルスを二つに分け、それぞれ遅延時間を置いて伝搬後に合波した。片方のアームにピエゾドライブしたステージを導入して、安定化を行なった。
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