研究課題/領域番号 |
21K04957
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
曽根 宏靖 北見工業大学, 工学部, 准教授 (00333667)
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研究分担者 |
唐澤 直樹 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (00337099)
古瀬 裕章 北見工業大学, 工学部, 准教授 (50506946)
中村 真毅 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90323211)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | エルビウム添加ファイバ / 太陽光励起レーザ / テーパファイバ |
研究実績の概要 |
今年度は「太陽光の細径エルビウム添加ファイバへの高効率結合」の検討を重点におこなった。その結果、テーパファイバを用いることにより太陽光採光システムからのバンドル石英ファイバと細径エルビウム添加ファイバを高効率で結合することを可能にした。詳細は以下通り。 ①太陽自動追尾機能搭載の大型太陽光採光システムからの太陽光は、1 mm径の太径コアのバンドル石英ファイバから出力される。また、可視光で強い吸収を有しているエルビウム添加ファイバや後段の超短パルス発生システムには、断面積縮小による高エネルギー化とシングルモードによる後段の超短パルス発生の調整が容易になる等の利点のため10 μm径のシングルモードファイバを使う。②我々は、この太径コアから細径コアの結合の問題を解決するために、徐々にコア径が細くなるテーパファイバを利用した。テーパファイバはフォトニックサイエンステクノロジ(PST)社製のものを準備し使用した。これらの結果から光通信で用いられている波長帯(1550 nm帯)の蛍光スペクトルを効率よく得ることを可能にした。③また、増幅率を高めるために、エルビウム添加ファイバの最適な長さの検討もおこなった。 並行して、近赤外光ファイバレーザの技術構築のため「正常分散受動モード同期ビスマス系高濃度Yb添加ファイバレーザ」について調査し報告した。 これらの成果について雑誌掲載(1件)、国際会議発表(1件)、国内学会発表(3件)で公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は「太陽光の細径エルビウム添加ファイバへの高効率結合」の検討を重点におこなった。その結果、テーパファイバを用いることで太陽光採光システムと細径エルビウム添加ファイバを効率的に結合できることがわかった。ただし、細径エルビウム添加ファイバへの入射光強度が未だ発振レベルには達しておらず、さらなる検討が必要な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの成果を有効活用して「太陽光励起による1550 nm 光の増幅システム」の構築を目指し次の項目を重点的に調査をおこなっていく予定である。 ①さらなる太陽光の光強度増幅のために、太陽光集光機からの1 mm 径のバンドル石英ファイバとシングルモードファイバとの結合部分のさらなる改良をおこなう。 ②吸収・放出効果の増大化のために、エルビウム添加以外の可視波長域吸収して1550 nm 光放出を高効率におこなえるファイバの調査もおこなっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の進行状況により次年度使用額が生じた。次年度に繰り越して使用する予定である。
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