工場の煙突や地下道路の換気塔などの排気用タワーには、しばしば強制排気用のファンが設置され、大きなものは数メガワットの電力を常時消費している。再生可能エネルギーである風力や、流れの流体力学的な性質を活用すると、ファンの消費電力を削減でき、排気システムの運用コストを抑えながら、環境保全にもつなげることができる。本研究で得られた成果は、上空の風向に依存せずに風力を用いながら、ファン消費パワーを最大70%削減可能なタワー形状を提案したこと、及びその際の流体現象を明らかにしたことである。これにより大きな省エネ効果と、創エネだけでなく省エネ利用で風力を利用するという新たな視点、研究分野の広がりを提供する。
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