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2023 年度 実績報告書

北海道北部第三系の堆積岩中に含まれるヨウ素の起源と濃集機構の実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K04971
研究機関公益財団法人北海道科学技術総合振興センター

研究代表者

村上 拓馬  公益財団法人北海道科学技術総合振興センター, 幌延地圏環境研究所, 研究員 (30422760)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードヨウ素 / 地下水 / 堆積岩 / 北海道北部
研究実績の概要

本研究では、道北地域の第三紀堆積岩から採取された地下水中に高濃度で含まれるヨウ素の起源とその移行挙動を明らかにすることを目的とした。日本国内で生産されるヨウ素は主に南関東ガス田などの水溶性ガス田の地下水から抽出されており、この地下水は鮮新世から更新世の地層に由来している。しかし、その詳細な起源や移行メカニズムについては十分に理解されていない。本研究では、地下水の年代決定やトレーサーに用いられるヨウ素同位体比の分析を通じて、より深い理解を目指した。
本年度の研究では、昨年度に引き続き、ヨウ素含有量の低い岩石試料のヨウ素抽出試験を実施した。昨年度の分析結果では、抽出溶液中のヨウ素同位体比が1,633〜75,654×10^-14とばらつきが大きく、測定ごとの誤差も顕著であった。これを改善するために、本年度は試料量の増加や抽出前の試料洗浄回数を変更し、12試料を新たに分析し、同位体比は129〜348×10^-14と安定した値が得られた。
本研究期間を通じて、岩石試料のヨウ素同位体比は同じ層準に含まれる地下水中の値よりも高いことが示され、地層内でのヨウ素同位体比の移行には水-岩石間の吸脱着が影響している可能性が示唆された。この吸脱着には微生物の寄与が大きいことが報告されているため、今後の課題として、微生物の影響をより詳細に調査するため、地下環境を模擬した還元環境下でのヨウ素吸着試験の実施や、異なる地質環境での比較研究を実施し、地層内におけるヨウ素の挙動を総合的に理解する必要がある。
本研究の意義と重要性として、道北地域の地下水中におけるヨウ素の高濃度の起源解明により国内外の類似鉱床の形成過程の理解の寄与や、水-岩石間におけるヨウ素の移行メカニズムの解明による高レベル放射性廃棄物の地層処分分野への応用の2点が考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 北海道天北地域に胚胎する高濃度ヨウ素の起源2023

    • 著者名/発表者名
      村上拓馬、玉村修司、上野晃生、猪股英紀、青山秀夫、山口眞司、富山眞吾、五十嵐敏文
    • 学会等名
      2023年度日本地球化学会第70回年会

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公開日: 2024-12-25  

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