研究課題
基盤研究(C)
水溶性CuドープZnSナノ結晶粉末のフォトクロミック反応は10~50℃程度の範囲でフォトクロミック反応の消色速度が温度にほとんど依存しない。本研究では、その原因がナノ結晶表面の吸着水であり、温度に応じて脱着する過程が本質的なフォトクロミック反応の温度依存性を相殺していることを明らかにした。また。組成の異なる半導体ナノ結晶として、水溶性ZnOナノ結晶を合成し、それらが空気下でもフォトクロミック反応を示すことを見出した。
光化学
外気温に依存せず、高速に発色、消色するフォトクロミック材料は産業界における革新的な材料となることが期待される。さらに、半導体ナノ結晶の高速応答フォトクロミズムの着色の起源は秒から分オーダーにわたる超長寿命の電荷分離状態であることから、本研究はフォトクロミック材料開発だけでなく、光触媒や固体光化学の観点からも重要である。