本研究では小さな中性で最小の芳香族環であるイミダゾールを主骨格とし、π縮巻を最小に抑えることで小分子の刺激応答性蛍光分子を開発することを目的とした。イミダゾール環にアリールエチニル基とベンゾイル基を導入した化合物と、そこから誘導した有機ホウ素錯体を新たに開発し、それらの蛍光特性を評価した。どちらの化合物もメカノフルオロクロミズムを示した。また、ホウ素錯体は100 nmを超える大きなストークスシフトを示し、サーモクロミズム特性も合わせ持つ多彩な蛍光特性を示した。これらの結果からイミダゾールを主骨格とした新しい蛍光分子系の開発に成功したといえる。
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