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2022 年度 実施状況報告書

PPI阻害による抗嫌気性菌抗生物質中分子ジチロマイシンの合成と創薬リードの創製

研究課題

研究課題/領域番号 21K05059
研究機関北里大学

研究代表者

砂塚 敏明  北里大学, 感染制御科学府, 教授 (30226592)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード中分子天然物 / 収束的全合成 / PPI / 抗生物質 / 誘導体合成 / 嫌気性菌 / リボゾーム / 絶対立体構造
研究実績の概要

【目的】本研究の合成標的であるDityromycin (1)は、 1977年に北里研究所の大村らによって放線菌より単離された中分子天然物である。構造的特徴としては、イソジチロシン型環状トリペプチド構造とデヒドロイソロイシン酸化型異常アミノ酸を含む大環状デカデプシペプチドである。単離から45年が経過した現在もなお本化合物の絶対立体構造の決定はなされていない。また、その生物活性としては、偏性好気性、嫌気性菌に対し、70Sリボソーム内S12タンパクと結合することで、翻訳伸長因子EF-Gとのタンパク質間相互作用 (PPI)を阻害する 。そこで我々は1の新規PPI阻害剤としての開発を目指し、1の誘導体創製を指向した全合成経路の確立および全合成的アプローチによる絶対立体構造の決定を行うこととした。
【方法】1の全合成を目指すにあたって、のちの効率的な誘導体ライブラリー創製を可能とする収束的な逆合成を立案した 。すなわち1を大きく3つのフラグメント、Northertn part (2)、Southern part (3)、Eastern part (4)に分割し、それぞれの合成経路を確立し終盤にて結合させることによって全合成を目指すものである。これにより、構造、官能基変換を施した各々のフラグメントを組み合わせることによって多様な誘導体合成が迅速に実現できると考えた。
【結果】先に示した逆合成に従って、フラグメント2、3、4のグラムスケール合成にも許容な合成経路を確立し、1を構成するアミノ酸ユニットの全てを備えたデカペプチド 6の合成を達成した 。現在、我々は6における保護基の除去およびマクロ環化を行う検討を行なっており、残り数工程にて1の全合成を達成する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的であった各フラングメントの合成法を確立し、さらにフラグメントカップリングに成功して、分子の全ての分子骨格を構築できた。

今後の研究の推進方策

間もなくマクロラクタム化、そして脱保護することにより簡便な全合成法を確立できる。そして、本年度は様々な誘導体を合成し、構造活性相関を明らかにしたい。さらに、クライオ電顕によりリボゾームと誘導体との共結晶構造を解析し、どのように結合しているかを明らかにしたい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 新規PPI阻害剤創製を指向した中分子天然物ジチロマイシンの全合成研究- 1 -高度に酸素官能基化された非天然アミノ酸骨格の構築-2023

    • 著者名/発表者名
      鈴木大貴、金井田將裕、野口吉彦、廣瀬友靖、砂塚敏明
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] 新規PPI阻害剤創製を指向した中分子天然物ジチロマイシンの全合成研究 -2-2023

    • 著者名/発表者名
      金井田將裕、野口吉彦、鈴木大貴、廣瀬友靖、砂塚敏明
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [備考] 北里大学大村智記念研究所生物有機化学研究室

    • URL

      http://seibutuyuuki.sakura.ne.jp

  • [備考] 北里大学大村智記念研究所

    • URL

      https://www.kitasato-u.ac.jp/lisci/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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