研究実績の概要 |
主に、含ヘテロπ共役化合物のC-H官能基化について種々検討を行った。 (1)2-(インドール-1-イル)安息香酸の、ピバル酸無水物存在下におけるロジウム触媒分子内アシル化を開発した。本反応はレドックス中性な条件で進行し、10H-インドロ[1,2-a]インドール-10-オンを良好な収率で与えた。 (2)キノリン-8-イル基を有するベンズアミドの、二炭酸ジエチルをアルコキシカルボニル源とするロジウム触媒オルト位エトキシカルボニル化は、生成物の分子内縮合によりフタルイミドを与えた。 (3)2-(インドール-1-カルボニル)安息香酸は、ピバル酸無水物およびロジウム触媒存在下、分子内アリール化により6H-イソインドロ[2,1-a]インドール-6-オンを与えた。 (4)1-(ピリミジン-2-イル)インドールと安息香酸=メチル炭酸=無水物を、ロジウム触媒存在下反応させたところ、インドール2位がメトキシカルボニル化された生成物を与えた。 この他、(5)パラジウム触媒によるアクリルアミドのアンチMichael型ヘテロアリール化、(6)銅触媒によるアクリル酸とヒドロシランからのケテン生成を鍵とするオキシインドール生成反応の開発に成功している。また、アルキンを用いるヘテロ環構築反応として、2-(1H-インドール-1-イル)安息香酸tert-ブチルとアルキンのロジウム触媒環化によるインドロ[1,2-a]キノリン生成反応を見出している。研究期間全体を通じて、当初の目的であったアルキンのtrans付加を用いる反応の開発には至らなかったが、インドール、インドリン、ピリドンなどの触媒的C-H官能基化を数多く開発することができた。
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