当初想定していたフォトレドックス触媒とピンサー型Ni触媒によるニトリルの二重活性化は困難であったが、その途上でNi錯体によるハロアセトニトリルの活性化を経由する求電子剤との不斉C-C結合形成反応を見出した。これにより、含ハロゲン連続不斉炭素中心構築反応へと展開し、α-クロロ(フルオロ)-β-アミノニトリルをほぼ単一の立体異性体にて合成する手法を確立することに成功した。含塩素化合物についてはアジリジンをはじめとする多様なキラルビルディングブロック形成に、含フッ素化合物については医薬品合成に有用なβ-アミノ酸誘導体としての利用が可能である。
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