本研究では、表面プラズモン共鳴が生じる強い電場内にキラル分子を存在させることにより、通常単分子レベルでは検出できない分子の旋光度を検出する方法の開発を行った。その結果、旋光性を有する分子を貴金属微粒子の表面に吸着させることによって、SPRに起因する吸収が旋光性を有するとともに、吸着分子の旋光度が著しく増大することが明らかとなった。この現象は、貴金属微粒子の量に非線形に応答したため、貴金属微粒子が単粒子ではなく複合可した場合のSPRのカップリングによる増強もまた旋光度の増大に影響を与えることが示唆された。このように高感度な測定が可能となり、in-situによる動的観測の可能性を示した。
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