DNAで表面を高密度で覆われたナノ粒子の分散安定性はDNA構造に応答する。分子レベルの構造変化がコロイド系の色調変化をもたらす。この界面現象はDNAの柔軟性などに起因する立体斥力の効果によるものと考えられる。この仮説に基づき、本研究課題では四重鎖(G4)DNA担持ナノ粒子を作製し、リガンドとの複合化を検出する新しいナノバイオセンサーの開発を指向して、界面現象のメカニズム解明に取り組んだ。リガンドとの複合化によりG4構造がアンフォールドすることを確認し、それに起因した立体斥力の変化がG4担持ナノ粒子の分散安定性を低下させて、ナノ粒子の凝集、すなわちコロイド系の色調変化をもたらすことを実証した。
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