研究成果の概要 |
衝突誘起解離 (CID) タンデム質量分析 (MS/MS) は,ソフトイオン化された有機分子の構造解析や異性体識別に汎用される.しかし,スペクトルから得られる構造情報は,断片化に先立つ異性化によって劣化する恐れがある.CIDに競合する異性化プロセスである衝突誘起異性化 (CII) を,エネルギー分解タンデム質量分析 (ER-MS/MS), イオン移動度分析タンデム質量分析 (IMS/MS/MS), および計算化学の手法を用い探求した.ER-IMS/MS/MS 実験により,異性化イオン存在比が衝突励起の度合いに依存して変化することが観測され,衝突エネルギー依存的 CII 過程の存在が示された.
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