• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

高分子構造の引張変形を分子レベルで検出する近赤外-小角X線散乱の同時計測技術

研究課題

研究課題/領域番号 21K05139
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

新澤 英之  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (10549893)

研究分担者 古賀 舞都  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (80733477)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード近赤外分光法 / 小角X線散乱 / 高分子 / レオロジー
研究実績の概要

樹脂材料の機械変形時のメカニズムを分子レベルで評価するために、近赤外光と小角X線散乱用いた新しいレオ・オプティカル計測システムを開発する。本手法は引張試験機と近赤外計測置と小角X線散乱測定装置の3つを組み合わせることで、延伸する高分子の応力-ひずみ曲線、近赤外光によって弾性変形化のタイ鎖の変形、小角X線散乱によって塑性変形時のラメラの変形を動的に計測する。

本手法では、延伸試料に対してX線及び近赤外光を照射することで、弾性変形における高分子構造の変形を近赤外光、塑性変形を小角X線散乱で検出するものである。このためX線と近赤外光を試料の同一部位に照射する機構が必要となる。小角X線散乱装置は極めて複雑に設計されたX線光学系となるために、設計・設置がより容易な近赤外光の照射および検出機構を市販の小角X線散乱装置内に構築する。外部に設置した近赤外光源からの近赤外光をファイバーによって小角X線散乱装置内に導入する。近赤外光は偏光子によって水平方向に偏光した後、試料背面に設置したファイバーで受光し検出器へと送る。近赤外測定にファイバープローブを用いる最大の利点は、試料の照射位置が同じであれば、近赤外光の投光部と受光部をX線の照射軸上に設置する必要がないということである。即ち、本機構によって試料の同一箇所において近赤外光吸収と小角X線散乱の測定が行える。延伸装置等の外力によって測定対象に機械的変形を与えることで、樹脂材料の機械変形時の近赤外吸収とX線散乱による分析を行うことが可能となる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

小角X線散乱装置内に小型の近赤外分光器及びファイバープローブを設置し、試料の同一箇所におけるX線散乱と近赤外吸収を測定するシステムを構築した。本システムを用いて劣化前後でのポリプロピレンの計測を行い、近赤外スペクトルと小角X線散乱プロファイルとの組み合わせることで、劣化に伴う構造変化を詳細に解き明かすことに成功した。
以上の成果から、研究はおおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

構築した小角X線散乱と近赤外光吸収の同時計測システムを用いて各種樹脂材料の評価を行う。既に成果を得ているポリプロピレン以外の汎用樹脂についても劣化前後の変化を本システムにて測定し、劣化に伴う構造変化の詳細を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

残額が5397円と少額であったため翌年度での使用分とした。物品購入等に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] プラスチックの劣化状態を非破壊分析するシステムを開発

    • URL

      https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230228/pr20230228.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi