本研究では、非導電性の中空粒子に固体触媒を内包したカプセル型構造体を電極表面に配置し、電極上での電極反応により生じる電極近傍の局所的なpH勾配を利用して、中空粒子内部のpH制御を行い、中空内部を微小な反応場とする新たな反応系の構築を目指した。このような電極近傍のpH変化は、電極反応つまり外部につないだ電源によって簡単に細かな制御が可能となる。このような系が達成できれば、カプセル型構造体近傍でのみpHが変化するため、古典的な系の過剰量の酸・塩基による過反応を抑制でき、中和の必要も少なくなることから、現行の様々な有機合成プロセスへのインパクトは大きい。
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