今後の研究の推進方策 |
令和4年度に得られた結果をもとに、以下の研究を推進する。 A. 2のTMS基を脱保護して得られる化合物 (7) とジアジド化合物のクリック反応 (重合) により、7がトリアゾールリンカーで連結したポリマー (配位子前駆体) を合成するとともに、MOM基を脱保護して得られるポリマー (配位子) を用いた二重らせん高分子の合成をも目指す。 B. 1の両末端にシランカップリング剤を導入した後、MOM基を脱保護して得られるテトラフェノール誘導体からなる刺激応答性伸縮二重らせん分子を合成するとともに、化学結合を介して、ガラスなどの基板上に固定化することで、外部刺激により、分子レベルでの伸縮運動を巨視的なスケールに変換可能な分子リフトの構築をも目指す。 C. 6の脱メチル化により、目的とする2量体 (配位子) を合成し、また、同様の手法を用いて、段階的に、多量体 (配位子) を合成するとともに、分子量の制御された二重らせん高分子の合成をも目指す。 D. 鈴木・宮浦クロスカップリングにより、ベンゼン環の1,3,5位に5を導入した後、脱メチル化により得られる化合物 (8) (配位子) を合成し、8と水素化ホウ素ナトリウムの反応により、伸縮可能な二重らせん骨格からなるナノ空孔 (ハニカム構造) を有する二次元シートを作製するとともに、外部刺激により、ナノ空孔のサイズを可逆的に制御可能な系の構築をも目指す。
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