研究課題
基盤研究(C)
芳香族炭化水素の一種であるペリレンを光レドックス触媒として用いることで、可視光照射によって進行するジイミン類の還元的カップリング重合を開発した。得られたポリアミン類は、比較的高いガラス転位温度を示した。さらに、ポリアミン類が繰り返し単位中に1,2-ジアミン構造をもつことに着目し、その環化反応にもとづく化学修飾を行うことで、ガラス転移温度がより高いポリマーを合成することに成功した。
高分子化学
得られた研究成果は、これまで報告例のない「光レドックス触媒を用いた可視光駆動型反応の高分子合成への利用」特に「可視光照射下で進行する逐次重合系の開発」という学術的な意義をもつ。また、高価な金属触媒や、高活性で危険性を伴う試薬を必要とせず、反応を駆動するエネルギーとして可視光を使用できることから、「環境調和型の有用物質製造製造(本研究の場合には高耐熱性高分子の製造)」という社会的意義をもつ。