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2022 年度 実施状況報告書

SCAT重合による高強度超分子自立膜の創製とガス選択分離膜としての応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K05192
研究機関北見工業大学

研究代表者

浪越 毅  北見工業大学, 工学部, 准教授 (30452072)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード超分子 / 光環化反応 / ポリフェニルアセチレン / ビニルエーテル
研究実績の概要

本研究は申請者が見出した実用的なスケールで超分子膜を合成できるポリフェニルアセチレン膜の光環化反応(SCAT)による超分子自立膜の調製法を発展させるものである。本研究で最近新たに見つけたSCAT反応とともに起こるポリフェニルアセチレン骨格に有するビニルエーテルの重合反応を利用し超分子自立膜の高強度化とSCAT重合のメカニズムの解明を目的とする。
SCAT反応が起こるDHPA型モノマーにビニルエーテル基(VE基)あるいはそれよりも重合性の低いプロペニルエーテル基(PE基)を導入したモノマー(それぞれDVOEDHPA、DPOEDHPA)を合成してTHF中、[Rh(nbd)Cl]2/TEAを触媒に用いて前駆体ポリマーの合成を行い1.8万ー29.8万の高分子量体を得た。さらに製膜性が高く気体透過性の優れたポリマーが得られるトリメチルシリルフェニルアセチレン(SPA)との共重合も行い高分子量体が得られた。
得られたこれらのポリマーのSCAT反応を検討した。poly(DVOEDHPA)、poly(DPOEDHPA)は膜が透明化しSCAT反応を起こした。一方、copoly(DVOEDHPA/SPA)(75/25)はSCAT反応を起こさなかった。これはSPAを導入することで主鎖の螺旋ピッチが変わりSCAT反応が起こらなくなったと考えられる。
SCAT反応前のそれぞれのポリマーはTHFに可溶であったが、照射後は不溶化し、それぞれのIRスペクトルからポリマーの重合性基のピークが消失し、光照射によってVE基とPE基による架橋構造が形成された。
SCAT反応で生じるラジカルがVEを架橋させると考えていたが、SCAT反応しなかったcopoly(DVOEDHPA/SPA)も架橋反応を起こしたため、SCAT重合の反応メカニズム解明のために共重合比率を変えて検討するなどのさらに検討する必要が生じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度にモノマーの複数合成を達成したが合成には時間がかかったため、得られたポリマーのSCAT重合の機構解明が遅れていた。本年度はSACT重合の検討が進み進展したものの予想したSACT重合挙動とは異なったことから、さらに別モノマーを合成してSCAT重合の挙動を観測する必要が生じたため。

今後の研究の推進方策

合成は確立できているので共重合組成を変えたポリマーを作ることでSCAT重合の機構解明の研究を加速させる。

次年度使用額が生じた理由

残額は有機溶媒の発注を行う予定であったが、メーカーの流通が滞って未発注となったため。
すでに手配済みであり問題無い。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] ビニルエーテルを有する様々なポリフェニルアセチレンの SCAT反応と架橋形成を利用した高強度自立膜の創成2023

    • 著者名/発表者名
      若林和冶、浪越毅、渡邉眞次
    • 学会等名
      第57回高分子学会北海道支部研究発表会
  • [備考] 研究室ホームページ

    • URL

      http://www.mtrl.kitami-it.ac.jp/namikoshi/

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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