一般的に、高加湿で高伝導率を示す電解質膜は低加湿でも良好な伝導率を示し、加湿条件に関わらず高伝導率を示す電解質膜が求められている。電解質膜の伝導率は、電解質膜中の酸基密度と強い相関関係があるとされており、高密度に酸基を有する電解質膜開発に大きな関心が寄せられてきた。本研究では、比較的マイルドな合成法である脱保護法を用い、高スルホン酸基密度の架橋ポリ(4-スチレンスルホン酸)膜を合成した。この膜は80℃、90 %RHで0.93 S/cmと非常に高い伝導率を示した。ちなみにNafion 212膜は同条件で0.15 S/cmであった。
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