有機太陽電池(OPV)は、再生可能エネルギーの効果的な活用において有望な技術的選択肢である。現在、その開発において重要度の高い課題の一つに挙げられるのが、波長800 nm以上の近赤外光領域における光電変換効率の向上である。これに関連して本研究では、独自に設計・合成した近赤外光応答性の非フラーレン型アクセプター分子を評価し、構造の非対称化が光電変換特性の向上に寄与することを実証した。また、1000 nm以上の長波長領域で光電変換応答を示し、かつキャリア再結合による性能低下が少ない素子を得ることに成功した。
|