メモリスター機能を有する材料として、ジアリールエテン(DAE)の可能性を探求した。ニューロモルフィックデバイスとしてクロスバー構造電極が使用されることが多いが、DAEの機能であるMg蒸着選択性を利用して、マスクレス蒸着による4層3μm幅クロスバー電極構造を実証した。また、金属蒸着選択性を実現する表面の条件(表面柔らかさと表面自由エネルギー)を解明し、Ag、Cu、Ni、Crなどの金属のマスクレスパターン形成を実証した。ニューロモルフィックデバイスの性能評価までは至らなかったが、付随して得られた研究成果として、有機膜表面におけるナノ・マランゴニ効果の発見とそれに基づく表面ガラス転移点評価がある。
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