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2021 年度 実施状況報告書

分子配向と結晶成長を指向した有機半導体成膜法の開発と有機トランジスタへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K05217
研究機関国士舘大学

研究代表者

酒井 平祐  国士舘大学, 理工学部, 准教授 (30580401)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード有機半導体 / 有機電界効果トランジスター / 溶液プロセス
研究実績の概要

本年度の研究計画では、本年度に取り組む内容は①結晶性の高い有機半導体薄膜の細線を描くこと、②薄膜作製の自動化へ向けて装置を立ち上げること、③成膜した薄膜の結晶性を評価すること、④成膜した薄膜を用いてOTFTを作成すること、の4点であった。
以下に、結果の概要をまとめる。実験①については、有機半導体薄膜の細線を成膜することに成功した。現在、製膜温度や膜の表面エネルギー、溶液濃度などといった製膜条件と膜質の相関に注目し、製膜条件の改善を進めている。実験②については、まだ自動化には至っていないが、実験①で取り組んでいる製膜条件にあわせて、製膜に必要な装置の立ち上げを進めている。実験③については、偏光顕微鏡により結晶の評価を進めている。研究計画に則り、引き続きXRDなどの分光法を用いて、本研究による技術にて成膜した有機半導体薄膜の結晶性評価などを進めていく準備を進めている。実験④については、実験①にて明らかにした有機半導体薄膜の作製条件をベースとして、OTFTに用いる有機半導体薄膜を製膜し、OTFTを完成させてその動作特性を評価した。その結果、既存の成膜法であるスピンコート法に遜色ないOTFTの動作特性が得られた。
これらの結果をもとに、現在、成膜法に関する特許出願や研究結果の論文化の準備を進めている。
一方で、製膜に関して基板と溶液の間にせん断力が加わるような製膜装置の開発にはまだ取り組めていない。現在用いている装置でも、結晶性の高い膜が得られているので、製膜時に溶液に対して、多少の剪断力が働いている可能性がある。この点については、製膜中の溶液の状態を詳細に調べ、今後の装置開発の参考にして、研究を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究実績の概要に示した通り、研究は順調に進んでおり、成果としての特許や論文の準備も進めることができている。
本年度後半に、装置故障により研究の進行が停止した時期もあったが、その時期までに予定以上に進んでいたため、大きな支障とならなかった。
これらの状況と申請書に示した研究計画を示すガントチャートの内容と照らし合わせて、おおむね順調にすすんでいると判断した。

今後の研究の推進方策

現段階では、研究計画に則って順調に研究が進んでいる。OTFTの駆動には成功しているものの、その特性評価については、より一層解析が必要な点もあるので、評価に取り組むことを計画している。
その他の点については、研究計画に則って、研究活動を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度は概ね予定通り予算を執行できたが、端数が次年度使用額として残っている。
研究は順調に進んでいるため、この予算は次年度のデバイス作製に必要な消耗品費として使う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Development and Evaluation of a Surface-Enhanced Raman Scattering Sensor to Detect of Color-Polluted Wastewater2021

    • 著者名/発表者名
      仲林 裕司、山田 悟、酒井 平祐、鈴木 亮一
    • 雑誌名

      産業応用工学会論文誌

      巻: 9 ページ: 153~159

    • DOI

      10.12792/jjiiae.9.2.153

    • 査読あり
  • [学会発表] Dual-gate low-voltage organic FET for pressure sensing2021

    • 著者名/発表者名
      Heisuke Sakai
    • 学会等名
      16th International Thin-Film Transistors Conference(ITC2020/2021)
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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