研究課題
基盤研究(C)
本研究では、真球状および多孔性の水和酸化物粒子の反応性をコントロールし、従来よりも低温の温水を用いて酸化物として結晶化する手法について検証した。特に、水和チタニア粒子の乾燥状態が、その後の温水中での保持による結晶化挙動に与える影響を明らかにした。また、タンタル系の多孔性粒子の調製とその結晶化を成し遂げた。さらに、水和酸化物粒子を異種金属水溶液中で加熱することにより、様々な形態の複合酸化物粒子の調製も可能となり、吸着剤や触媒として有用な高比表面積の粒子を低温で得られる手法を確立できた。
無機合成化学
本研究は、水和酸化物の反応性を積極的にコントロールし、酸化物材料の原料として用いることにより、様々な単一金属および複合酸化物粒子の粒径・形態・機能性を制御可能な幅を大いに拡げられることを新規に見いだした。この成果は基礎的・応用的にも幅広い波及効果を与え、様々な無機微粒子材料はもちろんのこと、微粒子を原料とする部材の性能を、安価で環境負荷が低い調製条件で大いに向上させると期待できる。