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2021 年度 実施状況報告書

配位化合物で構造規定した新規全固体Z-スキーム光反応系の創出

研究課題

研究課題/領域番号 21K05224
研究機関山梨大学

研究代表者

高嶋 敏宏  山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60644937)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード人工光合成 / 光触媒 / ナノ構造 / 配位化合物 / プルシアンブルー
研究実績の概要

光触媒を利用した光-化学エネルギー変換の実現に向けて、研究代表者らはこれまでに2種類の光触媒と金属ナノ粒子を接合した全固体型二段階励起光反応系を開発してきた。同系では金属ナノ粒子を介した光触媒間での電子移動が反応駆動に必要であり、接合構造を制御することが光反応活性を得るうえで極めて重要である。しかし一方で、無機ナノ粒子からなるこれら3種類の接合を制御することは現状困難である。そこで本研究では、この接合構造の制御を実現するための新たな手段として、光触媒間の導電性材料を金属ナノ粒子から配位化合物へと置き換えた系の開発を提案し、粒子の空間配列の制御を化学的に可能にすることを目指して研究を進めている。一年目である今年度は申請時の研究計画に基づき、接合に用いる配位化合物の選定ならびに選定した化合物の光触媒への担持方法の検討を行った。具体的には、構成金属イオンおよび酸化還元電位の設計自由度の高さならびに表面への化学修飾が可能であることを根拠に、配位化合物としてプルシアンブルー類縁体を利用することに決定し、これを光触媒に担持する方法を開発した。その結果、担持には(1)光触媒によるプルシアンブルー前駆体の光還元、(2)個別に合成した各々へ表面修飾した化合物の官能基同士の相互作用の利用、(3)光触媒存在下での直接合成の3種類の方法が有効であることを確認した。さらに、プルシアンブルーを担持した光触媒の光反応の結果からは、プルシアンブルーと光触媒間の電子移動を光誘起することが可能であることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は申請時の研究実施計画に基づき、接合に用いる配位化合物の選定ならびに選定した化合物の光触媒への担持方法の検討を行った。その結果、全固体型二段階励起光反応系の導電性材料として用いる上で重要な酸化還元特性ならびに表面化学構造の設計自由度の高さを兼ね備えていることから、プルシアンブルーが有力候補になるとの考えに至った。また、プルシアンブルーは複数の手法で光触媒上に担持し得ることを明らかとし、さらに光触媒と担持したプルシアンブルーの間では電子移動を光誘起できることを確認した。これらは次年度以降に全固体型二段階励起光反応系を構築していくための基盤となる知見であり、現在まで本研究はおおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

今後は現在までに得られた成果を基に、3種類の粒子配列を制御した全固体型二段階励起光反応系の構築手法の開発を進めていく。具体的には導電層として酸素発生光触媒上に担持したプルシアンブルーと水素発生光触媒を選択的に接合させるために、これらへ分子修飾を施し、粒子間での接合を促進する手法を開発することを目指す。また、電子顕微鏡観察および分光測定を利用して接合の確認を行っていく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 山梨大学クリーンエネルギー研究センター 太陽エネルギー変換研究部門

    • URL

      http://www.scgroup.yamanashi.ac.jp/

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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