研究課題
基盤研究(C)
バイオディーゼルの副生物である廃グリセリンの有効利用に着目し,グリセリンを直接酸化可能な電極の作製を目指した.貴金属電極を用いてグリセリンを酸化した場合,一酸化炭素などの不活性な酸化生成物により触媒活性が低下することが知られているが,本研究で提案する電解処理をパラジウム電極へ施すことで,逆に電解触媒活性が向上することが明らかとなった.電気化学測定や電極表面観察の結果から,カルボキシル基を有する酸化物がパラジウム表面へ修飾されることにより,触媒活性の向上に寄与するものと考えられる.
電気化学
本研究においては,グリセリン酸化に適した原子配置を模索するような材料組織面からのアプローチとは異なり,貴金属触媒の表面修飾という観点からのアプローチを行った.貴金属電極の電解処理あるいは有機物吸着による触媒活性向上が可能であることを示すものであり,簡便な方法のみを用いた電極作製に基づく直接型グリセリン燃料電池の開発へと通ずるものと考える.