本研究では、透過型電子顕微鏡(TEM)を活用し、クリーンな水素製造方法として注目される熱触媒法における炭素触媒の構造変化を明らかにすることを目的とする。 開発した差動排気型ガス雰囲気加熱TEM試料ホルダーを用い、圧力20 Pa、温度1000℃までの環境を作った。真空チャンバーを併用したex-situ実験を行い、メタン中の加熱前後に同一視野を観察することで、カーボンブラックの構造変化を捉えた。黒鉛化が確認でき、反応時間とともに進んだ。しかし、一部のカーボンブラックでは、袋状のグラフェン層が表面に形成されることが分かった。比較のため、Niナノ粒子触媒ではその場観察も実施した。
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