本研究は、全固体電池での高電位正極材料酸化物の充放電メカニズム解明を目指して、バルク単結晶試料の合成と評価について取り組んだ。具体的には、5V級正極材料酸化物であるスピネル型LiCoMnO4、および高容量高電位正極として期待されているリチウム過剰層状岩塩型Li1.2Ni0.2Mn0.6O2の単結晶を合成した。水酸化リチウムを用いたフラックス合成法により、大きさは数ミクロン程度であるが、LiCoMnO4の単結晶合成に世界で初めて成功した。また、リチウム過剰組成系層状岩塩型Li1.2Ni0.2Mn0.6O2単結晶は、高温焼成による粒成長法により、100ミクロン程度の大きさの単結晶が合成できた。
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