研究課題
基盤研究(C)
リンカーとしてカルボキシル基を有するH4DPP2+誘導体を合成し、TiO2表面に結合させた有機・無機ハイブリッド光触媒(TiO2-1)を合成し、水を電子源とした光触媒的ORRによるH2O2生成を達成した。また、その光照射時間あたりのH2O2生成速度は、既報の水を電子源とした光触媒的H2O2生成触媒と比較して、はるかに速い速度で反応が進行し、その外部量子収率は28%であることが明らかになった。
光化学
本研究で開発した有機無機ハイブリッド触媒を用いることで、紫外線照射のみで水を電子源として酸素を選択的に還元することで光触媒的に過酸化水素を生成可能な光触媒系の構築に成功した。今回得られた成果では、酸化チタン表面上に有機触媒を担持することによって、固体触媒としての触媒耐久性だけでなく分子触媒としての反応選択性を併せ持つことが判明した。この有機無機ハイブリッド触媒によって、水を電子源とする新たな光触媒系への展開が可能となる。