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2021 年度 実施状況報告書

酸化黒鉛を用いた新規ハイブリッドキャパシタの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K05255
研究機関群馬大学

研究代表者

白石 壮志  群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (40292627)

研究分担者 畠山 義清  群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (90633313)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードハイブリッドキャパシタ / 酸化黒鉛 / リチウム電池
研究実績の概要

ハイブリッドキャパシタは、電気二重層キャパシタ(EDLC)型電極と蓄電池用電極を組み合わせた蓄電デバイスであり、EDLCよりも高エネルギー密度を有する。当研究室では、完全放電後のフッ化黒鉛(GF)/Li電池並びに、酸化黒鉛(GO)/Li電池がハイブリッドキャパシタとして充放電可能であると見出した(それぞれGF/Liキャパシタ、GO/Liキャパシタと命名している)。GO/LiキャパシタはGF/Liキャパシタに比べて容量・エネルギー密度は優れている。しかし、GO/Liキャパシタは内部抵抗がEDLCやGF/Liキャパシタよりも高い傾向にある。本研究では、GOと単層カーボンナノチューブ(SWCNT)との複合化によって内部抵抗が低減し、GOとSWCNT との複合化率を最適化することでGO/Liキャパシタの更なる高性能化を目指した。
Hummers法で作製されたGO粉末と日本ゼオン製SWCNT(SG101)の分散液をろ過することでGO/SWCNT複合電極を作製した。GO/SWCNT複合電極を用いるとGO/Liキャパシタの内部抵抗は低減され、体積比容量も改善された。GO : SWCNTの混合重量比のキャパシタ特性に及ぼす影響を調べた結果、GO : SWCNT = 80 : 20が最適であることがわかった。
また、電解液に用いる溶媒の種類についても注目した。電気化学的な還元ならびに酸素ラジカルに対して安定なテトラグライム系電解液を用いると、リチウムイオン電池によく使われるエチレンカーボネート・エチルメチル混合系電解液に比べてキャパシタとしての放電容量が改善されることが見出された。したがって、GO/Liキャパシタの放電容量向上には、電解液の安定性が重要であることが本研究により明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究計画に基づき、GO/Liキャパシタの内部抵抗を低減するため、GOをSWCNTを用いてコンポジット化した結果、内部抵抗を下げることに成功しただけでなく、SWCNTとの複合化の最適比も見出すことができた。この研究成果については、2021年電気化学秋季大会において報告した。さらに、黒鉛化合物研究会,第133回研究会ならびにISE72nd Annual Meetingの招待講演においても紹介することができた。また、電解液の溶媒をリチウム空気電池に使われるグライム系に変更することでさらなる高性能化ができる可能性を見出させたことは予想外の成果であった。

今後の研究の推進方策

初年度に引き続き、酸化黒鉛の最適化を行いつつ、電池・キャパシタとしての充放電機構の解明を行う。具体的な分析方法としては、充放電前後のX線回折測定、ラマン分光測定、SEM観察/蛍光X線分析、ガス吸着法による細孔構造解析、電気化学水晶振動子マイクロバランス(EQCM)法、昇温脱離法(TPD)分析による官能基分析、X線小角散乱(SAXS)による微細孔構造解析、等を駆使する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Development of Novel Carbon Electrode for Electrochemical Energy Storage. Nano-sized Carbon and Classic Carbon Electrodes for Capacitors2021

    • 著者名/発表者名
      Soshi Shiraishi
    • 雑誌名

      Electrochemistry

      巻: 89 ページ: 491~499

    • DOI

      10.5796/electrochemistry.21-00084

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] New Developments in Electrochemical Capacitors Using Classic Carbon Materials2021

    • 著者名/発表者名
      Soshi Shiraishi
    • 学会等名
      72nd Annual Meeting of the International Society of Electrochemistry
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] クラシックカーボンを用いた電気化学キャパシタの新展開?活性炭ならびに黒鉛層間化合物を用いた研究開発2021

    • 著者名/発表者名
      白石 壮志
    • 学会等名
      黒鉛化合物研究会 第133回研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 単層カーボンナノチューブとの複合化による酸化黒鉛リチウムキャパシタの高性能化2021

    • 著者名/発表者名
      島袋 出, 白石 壮志, 畠山 義清
    • 学会等名
      2021年電気化学秋季大会

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公開日: 2022-12-28  

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